電波航法装置
電波航法装置
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GPSプロッタJLU-121P 日本無線(1991)
人工衛星を使った位置測定システムGPSを利用する航法装置。基本の機能は、位置を求めてそれを緯度と経度で表示することであるが、内蔵するコンピューターを使って、海図の表示、速度の計算、航海の軌跡や予定航路の記憶と表示、予定航路からはずれたときの警報、などの機能が備えられている。性能は、位置の精度:15m、速度の精度:0.2ノット、測位時間:最大2分、最大衛星追跡数:5である。 -
サテナビ航法装置NR-702D 安立電気(1980)
TRANSIT衛星より送られる信号を受信し、ドップラー周波数の積算により舶位を決定しCRTに経緯度で秒単位まで表示する。6個の衛星を約1時間毎に次々と受信し、中間は推 測の位置を表示する。位置測定の誤差は90m以内。受信周波数400MHz、受信感度-145dBm。プリンターは受信された経緯度を定時または任意時刻にロール紙に記録する。受信アンテナにプリアンプを内蔵する。 -
OMEGA RECEIVER NR01B 安立電気(1980)
長波のダクト伝播を利用する位相比較による双曲線航法装置。受信周波数;10.2, 13.6, 11.33[kHz]。感度0.01μV。世界のオメガ局全8局の中から任意の4局を受信し、自動的に 自船の「位置の線」(LOP)を連続に計数表示管に表示して、0.5~2海里程度の精度で船位を求めることができる。記録部には任意の2本のLOPが記録でき、針路、速度、受信電波の強弱、異常伝播現象が察知できる。 -
セナーデッカ受信機MS-1A セナー(神戸工業)
70kHz~130kHzの周波数の電波を使用する。対となるデッカチェーン(主局1局、従局3 局からなる)がそれぞれ異なる周波数で発射する連続波の位相差を測定して受信点の位置を 測定する。ロランに比して有効距離が短いが測定精度は200mと高い。1940年代に実用化 し、第二次大戦後英国を中心として活用された。日本でも末期に利用されたが2001年には 世界的に運用を停止した。 -
セナーデッカ受信機MS-3A セナー
デッカシステムによって船の位置を測定する電波航法受信機。デッカシステムは双曲線航法の1つであって、1つの主局と3つの従局からの長波の連続波の位相を比較して位置を求める。デッカシステムはイギリスで開発されヨーロッパでとくに発達普及している。MS-3Aは日本近海で使用するように作られ、セナー社により貸し出されている。使用周波数:70kHz-130kHz、受信方式:スーパーヘテロダイン、有効距離:約350海里、測定精度:約200m。 -
LORAN INDICATOR LR-8802 Radiomarine Coop. of America(1950)
双曲線航法システムの船舶用受信機。 離れた主従2局から同時に発射される電波パルスの 到達時間差が等しくなる点の軌跡が双曲線になることを利用し、二組の主従局から発射され るパルスの到達時間差を測定して得られる2本の双曲線の交点によって自己の位置を検知する。周波数は約2 MHz帯4波、時間差の測定はCRT上でパルス波形を重ね合わせる操 作に連動させたメカニズムによる。 -
ロランA受信機ML-1 東京計器製作所(1965)
中距離の双曲線航法装置で、我が国の商船にロラン受信装置を普及させた、最初のモデルで ある。2[MHz]帯4chの周波数に対して6種類のパルス繰返しレイトによって運用される。 数百[km]離れた主従ロラン局から、昼間1500[km]、夜間2800[km]程度が利用可能距離である。測定誤差も数百~数千[m]程度と遠洋航海では充分の精度と言える。 現在はAシス テムは廃止されCシステムのみで運用中である。 -
LORAN C NAVIGATOR LR-792 光電製作所(1995)
ロランCシステムを使い現在位置を自動的に測定し表示する船舶用航法装置。小型高機能でプレジャーボートなどでの使用に適している。ロランCは双曲線航法の1つで、100kHzの信号を使って位置の測定を行い、一般的に、測定距離は2000海里、精度は数百メートルである。この装置は内蔵するコンピューターを利用して、速度、進路の表示など豊富な機能を備えている。液晶表示:16文字x4行、寸法:220x120x90(mm)。消費電力:5W。 -
LORAN RECEIVER LR-747 光電製作所(1972)
ロラン航法は双曲線航法の一種で、Long Range Navigationの略語である。この装置は 1,750~1,950kHzの周波数帯を用いるロランAと100kHzを使用するロランCとの2シ ステムが使用できた。ロランCシステムは現在も運用している。垂直、T型、逆L型の7 ~20m程度のアンテナを使用。入力電圧1μVにてCRT上に10mm以上の映像を示す。 ロランCにて昼間2,300浬, 夜間3,400浬の業務範囲を有し、精度は数十メートルである。 -
DIRECTION FINDER KS-500A 光電製作所(1973)
受信している電波がくる方向を自動的に測定しブラウン管上に表示する受信機。ブラウン管と2本の真空管以外はトランジスターで作られ、受信方式はスーパーヘテロダイン。方位の測定はゴニオメーターを高速回転させて行っている。受信できる電波の形式:A1、A2、A3、A3H、A3J。周波数範囲:200-510kHz、500-1300kHz、1250-3300kHz、3200-9000Hz。寸法:383x390x425mm、重量27.5kg。ループアンテナ直径:85cm。 -
無線方向探知機TD-A201 大洋無線(1958)
電波がくる方位を自動および電動回転消音式で指示する無線方位測定機(受信機のみ所蔵)。真空管式、ゴニオメーター内蔵。受信可能な電波の型:SSB、A1、A2、A3。周波数範囲:200-4500kHz。受信方式:スーパーヘテロダイン。スピーカー出力:1W。方位測定感度:410kHzのとき、10マイクロボルト/mで2度。直交ループアンテナ直径:100cm。受信機寸法:430x540x300(mm)、重量:32kg。 -
JRC RADAR EQUIPMENT JMA 149 G-AC 日本無線(1971)
初期のトランジスター化船舶用レーダー。マイクロ波帯の電子管以外はトランジスターを使用。小型船舶への搭載を考え送受信機とスキャナー(アンテナ)を一体化、防水、温度、振動対策を重視した。使用周波数:9375MHz、水平ビーム幅:1.5度、垂直ビーム幅:18度、パルス幅:0.08マイクロ秒、繰返し周波数:毎秒1600パルス、距離分解能:20m、最小探知距離:25m、方位分解能:1.5度、アンテナ回転数:毎分20回、表示方式:PPI。 -
船舶用レーダーシステムNMD-401 日本無線(1953)
最初の国産船舶用レーダー。10台を製造、8台が船舶に搭載され、1台が電気通信大学で研究・教育に使用された。システムはアンテナ、送受信機、表示機で構成されている。使用周波数:9375MHz、送信尖頭出力:30kW、水平ビーム幅:1.8度、垂直ビーム幅:19度、パルス幅:0.3マイクロ秒、繰返し周波数:毎秒2000パルス、最小探知距離:60m、アンテナ:パラボラ(軽合金鋳物)、回転数:毎分16回、表示方式:PPI。 -
5センチ波レーダーアンテナ NC-1019 沖電気(1968)
NC-1019型レーダーのアンテナである。通常の船舶用レーダーは3センチ波(9,375MHz) であるが、このアンテナは5センチ波(5,540MHz)用で、3.7mの導波管の側面に多数の 並行したスロットを施し、これをアレーとして尖鋭な指向性を持たせるスロットアンテナで ある。濃霧による障害を受けにくい性質がある。運輸省航海訓練所(当時)の青雲丸に装備されていたものである。 -
5センチ波レーダー送受信機 NC-1019 沖電気(1968)
5センチ波(5,540MHz)を使用する船舶用レーダーである。レーダー送受信機、同電源装 置、同表示部、及び同アンテナによって一装置を構成する。送受信周波数が5GHz帯であ ること以外には、9GHz帯の舶用レーダーと回路的に変わるところはないが、導波管の太さ を見ても巨大さがわかる。豪雨や濃霧の時に電波障害が少ないとされ、旧航海訓練所の青雲 丸に二台目のレーダーとして装備されていた。 -
船舶衝突予防装置 電気通信大学/協立電波(1950年代)
船舶のレーダ航法において、相手船舶が危険な距離にまで接近したことを警報する装置。鈴木 務、大岡 茂、がレー ダCRT画面に警報リングを表示する方法、相手船舶を有効にCRT上にプロッティングする 方法、及び相対位置の変化が少ない接近船舶の存在を警報する方法を開発して本試作機を製 作した。本装置は日本無線(株)製のレーダー(NMD-401型)に接続して実験した後、航海 訓練所大成丸において海上実験を行った。 -
船舶衝突予防援助装置MARAC-IIIA 安立電波工業(1981)
航海用レーダによって得られた情報、およびジャイロとログからの方位と速力信号をコンピュータ処理して、CRT上に付近の船舶の進路と速力をベクトル表示し、指定船舶の過去の航跡を等時間間隔で表示する。また、パネル面での操作により指定船舶との最接近時刻、最接近距離が算出できる。設定したガードリング領域内に他船が進入するとターゲット上にマークを表示し警報を発する等、多くの機能を有している。 -
セナーデッカ受信機指示部 MS-1A セナー(神戸工業)
70kHz~130kHzの周波数の電波を使用する。対となるデッカチェーン(主局1局、従局3 局からなる)がそれぞれ異なる周波数で発射する連続波の位相差を測定して受信点の位置を 測定する。ロランに比して有効距離が短いが測定精度は200mと高い。1940年代に実用化 し、第二次大戦後英国を中心として活用された。日本でも末期に利用されたが2001年には 世界的に運用を停止した。 -
Decca Navigator Mk.21 Decca Navigator
デッカシステムによって船の位置を測定する電波航法受信機で、トランジスタ化されている。デッカシステムは双曲線航法の1つであって、1つの主局と3つの従局からの長波の連続波の位相を比較して位置を求める。受信回路は受信周波数の異なる4個の同一回路で構成され、位相の比較は自動的に行われる。使用周波数:70kHz-130kHz、受信方式:スーパーヘテロダイン。 -
直視型方向探知機TD-C228 大洋無線株式会社(1977)
電波がくる方向をブラウン管上で直視できる方位測定機用全トランジスター受信機。ゴニオメーター内蔵。受信可能な電波の型:SSB、A1、A2、A3。周波数範囲:200kHz-13.5MHz。受信方式:スーパーヘテロダイン、短波帯はダブルスーパーヘテロダイン。最低測定可能電界:410kHzで8マイクロボルト/m。ループアンテナ直径:80cm、短波帯にも使用するには特殊整合回路組込アンテナを使用。受信機寸法:420x350x450(mm)、重量:32kg。 -
無線方位測定機KS-323C 株式会社光電製作所(1962)
大型船用に設計された無線方位測定機。ブラウン管による自動直視測定と、カーソルの回転によって最小感度の方向を求める消音方式を切り替えて使用できる。真空管式、受信方式はスーパーヘテロダイン、どんな形式の電波も受信できる。受信周波数範囲:200-480kHz、460-1100kHz、1050-2500kHz、2000-4000Hz。寸法:570x380x486mm、重量50kg。ループアンテナ直径:120cm。 -
無線方位測定機KS-505 株式会社光電製作所(1973)
電波がくる方向を自動あるいは手動で測定するための受信機。真空管式で、自動の場合は電波を受信するとブラウン管に方向が表示される。手動のときは、電波を受信しながらカーソルを回転して受信音が最小の方向を求める。。受信できる電波の形式:A1、A2、A3。周波数範囲:200-400kHz、390-550kHz、1600-3000kHz。受信方式:スーパーヘテロダイン。ループアンテナ直径:120cm。 -
5センチ波レーダーNC-1019 沖電気工業(1968)
NC-1019型レーダーのアンテナである。通常の船舶用レーダーは3センチ波(9,375MHz) であるが、このアンテナは5センチ波(5,540MHz)用で、3.7mの導波管の側面に多数の 並行したスロットを施し、これをアレーとして尖鋭な指向性を持たせるスロットアンテナで ある。濃霧による障害を受けにくい性質がある。運輸省航海訓練所(当時)の青雲丸に装備 されていたものである。